23日午後8時ごろ、京都市伏見区竹田三ツ杭町の市営竹田住宅の一室で、住人の中西真澄さん(34)とその長男(5)が血を流して死んでいるのを、滋賀県内に住む中西さんの父親と、通報を受けた警察官が発見した。2人には刺された傷があり、京都府警伏見署が殺人事件として捜査を始めた。

 同署などによると、中西さんは夫(30)と小学3年生の娘(8)の4人家族。娘は同じ市営住宅の別の住民の部屋にいて無事だったが、夫の姿がなく、同署などが捜している。

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by xwrqimqixg | 2010-04-27 11:59
 堺市堺区中向陽町の自宅マンションで意識不明の重体に陥り、搬送先の病院で死亡が確認された1歳6カ月の男児について、母親(21)の交際相手の男が虐待を認めたとして、大阪府警捜査1課と堺署は15日、傷害の疑いで、母子と同居中の無職、古田島昂志容疑者(23)を逮捕した。

 府警によると、古田島容疑者は「子供をあやしたのに泣き止まず、腹が立った」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は13日午後6時〜14日午前5時ごろ、堺市堺区中向陽町のマンション2階の一室で、男児の腹部を力を込めて押さえつけるなど暴行し、消化管穿孔と腹腔内出血の傷害を負わせたとしている。

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by xwrqimqixg | 2010-04-22 21:20
 田辺三菱製薬(大阪市)の子会社が新薬の試験データを改ざんした問題を調査していた厚生労働省は13日、薬事法に基づき、田辺三菱を今月17日から25日間の業務停止とする行政処分を発表した。

 大手製薬会社の業務停止は極めて異例。

 田辺三菱は、子会社に対する監督責任が問われた。同社のほか、子会社の製造会社「バイファ」(北海道千歳市)が、今月14日から30日間の業務停止処分を受けた。

 発表によると、同社は世界初の遺伝子組み換え技術による人血清アルブミン製剤「メドウェイ注」を承認申請する際などに、試験データを改ざん。不純物の濃度を実際より低く見せかけたり、アレルギーの陽性反応を陰性反応のデータに差し替えたりするなど、16件の試験などで不正を行っていた。

 バイファは、旧ミドリ十字が遺伝子組み換えの薬品を開発するため1996年に設立された。田辺三菱は旧ミドリ十字を吸収合併していた。

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by xwrqimqixg | 2010-04-20 10:54
【金曜討論】 山谷えり子さん、泉健太氏

 民主党のマニフェスト(政権公約)の目玉の一つ、「子ども手当」が今年度から始まる。今年度分は約2兆3千億円、2万6千円に増額される来年度は5兆円超の財源が必要とされる。現金の直接支給は子育て家庭には朗報だが、在日外国人の国外居住の子供には支給され、身寄りのない日本人の子供には支給されないなど不公平感もある。「財源確保も十分審議されずに強行採決された」と批判する自民党の山谷えり子参院議員と、子ども手当を推進した民主党の泉健太衆院議員に聞いた。

 ≪山谷えり子さん≫

 ●制度設計なく強行採決

 −−成立した子ども手当法の内容についてどう思うか

 「ほかの教育政策などが十分議論されず、目的制度設計がまったくないまま強行採決されてしまったことは問題だ。日本人の親が外国で暮らしている場合、日本に住む子供は手当が受けられない。その一方で日本に住む外国人を親に持つ子供なら外国に住んでいても支給されるなど支給対象がまずおかしい。これでは少子化対策なのか、子供が健やかに成長するための対策なのか、経済支援なのか、経済対策なのか、いったい何のための政策なのか分からない。今年度の支給2カ月分を急遽(きゅうきょ)、6月に支給することを決めるなど、いかにも7月の参院選に向けての、“巨大な選挙買収”のための制度と言われても仕方ない」

 −−政府は平成23年度以降、支給額を公約通り月2万6千円に増額する方針で、いかにも公約実現を急いだかのようにも感じる

 「衆院厚生労働委員会での長妻昭厚労相の答弁を聞いても分かる。在日外国人を親に持つ海外で暮らす子供たちの実態については、『今後、調査して把握していく』と答えたり、『23年度の本格実施の制度設計の中で、さまざまな論点を検討していきたい』と答えるなど、制度設計の不備を民主党自体が認めていますから」

 ●自治体の負担も大変

 −−地方自治体の負担も論議されているが

 「例えば三重県松阪市の子ども手当の総額は76億円で、市民税の収入は77億円。もし、子ども手当をやめれば、国保税や介護保険料、後期医療保険料を全部無料にできる金額だ。また、自治体の事務負担も大変なことになる。支給対象となる外国人の子供の確認作業は地方自治体が行うが、例えば養子が50人いる牧師が日本に来た場合、本国に残した養子50人にも手当が支給されるが、どう確認をとるのかという質問に対し、長妻厚労相は『地方自治体が現地に問い合わせる』と答えている。これでは市町村に丸投げの状態。ノーチェックで対応せざるを得ないと言い始めた市町村も出てきている」

 −−財源確保の問題については

 「財源確保のために、事業仕分けで教育再生のための施策がいくつも廃止されたり、削減された。何年もかけて創設された『放課後子どもプラン』など計400億円の教育再生のための予算が、2兆3千億円のバラマキのために削られるのは残念だ」

 −−手当はどうあるべきか

 「経済的に貧しい家庭への支援は当然必要だが、保育政策の充実やゼロ歳児の母親に育児休暇や手当を与えるなど子供の健全な育成を保障するための環境整備作りに費やすべきだ」(戸津井康之)

 ≪泉健太氏≫

 ■一番のニーズは金銭支援

 〇社会全体での応援

 −−なぜ子ども手当が必要か

 「子供は社会の希望であり、次代を支える要だ。核家族が主流になった時代、子育てへの社会的支援が求められている。すべての子供への人生前半の社会保障と位置づけ、政府が子育て支援に取り組む姿勢を示したものだ。若者には子育てへの負担感がある。調査でも一番のニーズは金銭的支援だ」

 −−財源負担など、地方自治体から批判もある

 「児童手当にも地方負担分があった。国、地方、事業主など社会全体で応援する考えでご理解いただきたい」

 −−半額支給(月1万3千円)の今年度も約2兆3千億円の支出となるが、財源は

 「控除廃止と公共事業や公益法人の無駄削減などを行う。個別政策それぞれの財源を示すことは、予算編成にはありえない話だが、政府として責任を持って財源を確保したい」

 −−外国に在住する子供にまで支給することに議論がある

 「外国人への児童手当は、これまでも親が日本にいるなら子供が外国にいても支給されてきた。厚生労働省は従来と同じ制度設計を行っているが、本来の趣旨が物価の高い日本で生活する子供の育ちを支援することと考えれば、個人的には国内に居住する子供に支給するのが適切と考えている」

 〇子育て予算は少ない

 −−所得制限が必要ではないか

 「制度の哲学は、すべての子供の育ちの支援だ。高所得者には所得制限ではなく、累進課税や控除廃止などで対応する。年収2千万円で所得制限をかけても対象者は1%で、地方自治体事務の煩雑さを考えると事務費が上回る」

 −−参院選直前の6月支給に、選挙目当てとの見方もある

 「昨年の衆院選を戦うときから、マニフェストで工程表を示している。当初の予定通り行っているだけだ」

 −−待機児童解消など、母親の就労支援を優先すべきではないか

 「子ども手当とどちらを選ぶという選択論に乗ってはいけない。日本の子供関連予算は社会保障予算に比べ10分の1、国際的にも低水準だ。待機児童対策などは子供子育てビジョンに盛り込み、両方を推し進める。子ども手当の一部を保育費や給食費など特定の使途に充てることはあり得ると思う」

 −−手当が貯蓄や生活費に回る可能性が高い

 「生活費はもちろん、貯蓄も長期的には子供に関連する支出に結びつく。遊興費に使う可能性は児童手当と同じだ。直接的支援で失業中や一人親の子供も、日本社会で羽ばたける生活環境をつくってほしい。そのメッセージを政府が打ち出すことが、若者の出産と育児への意欲にもつながる」(飯塚友子)

【プロフィル】山谷えり子

 やまたに・えりこ 参院議員。昭和25(1950)年、東京都生まれ、59歳。元サンケイリビング編集長、テレビキャスター、エッセイスト。平成18年9月、首相補佐官(教育再生担当)、21年10月、参院環境委員長などを歴任。このほど扶桑社新書「日本よ、永遠なれ」が刊行された。

【プロフィル】泉健太

 いずみ・けんた 内閣府大臣政務官。衆院議員。昭和49(1974)年、札幌市生まれ、35歳。立命館大卒業後、議員秘書を経て平成15年、衆院選に初当選、現在3期目。民主党で一貫して子育て支援政策を担当、マニフェストに子ども手当を盛り込む。野党時代も無戸籍児の児童手当支給に尽力。

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by xwrqimqixg | 2010-04-13 21:08
 読売新聞社が3月27〜28日に行った裁判員制度に関する全国世論調査(面接方式)で、「裁判員制度が始まって、日本の刑事裁判は全体として良くなった」と思う人は「どちらかといえば」を含めて59%となり、「悪くなった」(「どちらかといえば」を含む)は9%にとどまった。

 制度導入直前の2009年4月の前回調査では、「良くなる」48%、「悪くなる」27%だった。実際に裁判員裁判が始まったことで、制度への評価が高まったようだ。〈質問と回答13面〉

 裁判員制度では、国民が裁判官とともに刑事裁判に参加する。09年5月に導入され、同年末までに838人が裁判員を務めた。

 制度が始まってから「裁判が身近に感じられるようになった」は55%で、「そうは思わない」41%を上回った。「判決に国民の感覚が反映されるようになった」51%も「そうは思わない」40%を上回った。

 一方で「裁判の内容がわかりやすくなった」は42%となり、「そうは思わない」49%を下回った。「裁判員として裁判に参加したい」も20%(前回18%)と依然低く、「参加したくない」76%(同79%)が大多数を占めた。参加したくない理由は、「量刑を的確に判断する自信がない」54%、「有罪・無罪を判断する自信がない」53%などが上位を占めた。

 裁判員が判決を決める際に話し合った内容を公表できないとする「守秘義務」の是非では、「裁判員が自由に意見を言えるようにするため、議論の内容は明らかにしない方がよい」56%が、「判決までの経過がわかるように、議論の内容はある程度明らかにできる方がよい」35%を上回った。

 被害者のプライバシー保護が課題となっている性犯罪については、裁判員裁判の対象から「はずすのがよい」47%と「はずさなくてよい」45%が拮抗(きっこう)した。

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by xwrqimqixg | 2010-04-08 20:13
 【安藤慶太が斬る】

 先週26日に東京高裁で少し意外な判決が出た。元社会保険庁職員が衆院選を控えた平成15年、共産党機関紙「しんぶん赤旗」を都内のマンションで配布したとして国家公務員法違反に問われた事件について、同高裁が、1審の有罪判決を破棄し、逆転無罪を言い渡したのだ。

 最近、裁判を眺めていると「?」という判決にしばしば出くわす。この判決に限った話ではない。裁判という場は民事刑事問わず、左翼系市民団体の闘争の舞台になっている。裁判を起こす権利は国民に与えられているのだが、彼らはそれを最大限に使う。何度負けても類似構造の訴訟を繰り返し起こし、世論の取り込みを図る。それが繰り返されるうちに、聞き分けのよい裁判官が現れ、今までにない判決を書く。その裁判官は耳目をひき、メディアの拍手喝采を浴びるという光景が繰り返されるのである。

 ■拍手喝采

 今回の事件をメディアはどう報じたか。各紙の社説などの見出しで拾ってみてみよう。

 「『赤旗』配布無罪−時代に沿う当然の判断だ」(3月30日朝日新聞)

 「公務員ビラ無罪 注目すべき問題提起だ」(3月30日毎日新聞)

 「ビラ配布無罪 言論封殺の捜査にクギ」(3月31日中日新聞)

 「政党紙配布無罪 時代の変化に沿う判断だ」(3月31日西日本新聞)

 「公務員と政治 むやみな規制許されぬ」(北海道新聞3月30日)

 産経は判決に疑義を呈したが他紙はざっとこんな感じの拍手喝采ぶりである。事件は微罪である、公務員の政治活動を禁じる規定自体が時代に反する、時代は変わった、むやみな規制は許されないといった讃辞が並んでいるのだが、果たしてそれで良いのだろうか。

 ■公務員は守られている

 私自身が以前、取材した事件の話をする。かつて東京都足立区内の中学校に通っていた女子生徒の母親が、娘の習っている社会科の授業内容に疑問を抱き、教育委員会に照会したことがあった。そのことを知ったこの社会科教師はその後の授業でこの母親を中傷するプリントを配布した。教師の心ない行為にショックを受けた女子生徒はその後、不登校に陥り、母親がこの教師を相手取って名誉棄損訴訟を起こした。

 1審判決はこの教師に名誉棄損が成立し、賠償命令が出た。ところが2審東京高裁は国家賠償法を適用、事実審理なしで、この母親の訴えを退けたのだった。

 公務員の行為が招いた損害の賠償責任は任命権者が負うというのが国家賠償法の考えだ。つまりこの事件の場合、任命権者は東京都になる。賠償責任を負うのであればそれは東京都が負うべきであって、この教師個人に負わすことはできない、端的に言えば、母親は請求先を間違えている、訴えるなら東京都を訴えなさいということを意味する判決だったのだ。

 しかし、母親には東京都に対して被害感情が全くなかった。請求が認められなかった母親が無念そうに漏らした言葉が私には今も忘れられない。それは「公務員って守られているんですね」というものだった。

 ■なぜ公務員は守られるのか

 裁判所が出すその後の判決などを見ると、例えば国立大学での大学教授のセクハラ裁判などで公務員本人に個人賠償を負わせる判決なども出されている。この事件で痛感したのと同様、何もかも任命権者に賠償責任があるという論理も理不尽な場合があるに違いない。

 それはともかく、公務員は立場的に身分が守られていることは確かである。それは、管理職であれ一般職員であれ、公務員は公のために奉仕するという義務を一様に負っていて、その裏返しに身分を守る“特権”が与えられているのだろうと理解する。だから彼らは自らの職務の公益性を踏まえながら、服務規定に従って職務に全力であたらなければならないし、それは公務員の地位や職級にかかわらない話だと考える。

 教育公務員を例に考えてると、「先生」という使命は、授業時間中、勤務時間中だけに負えばいいというものではない。先生が年休を取っていようが、街で生徒とすれ違おうが、極端にいえば、卒業した生徒の一生に渡って「先生」であり続けるのである。

 かつて、学校管理職がテレクラの経営に参画していたとして刑事事件になったことがあった。裁判官でも似たような事件があったような気がする。教師も裁判官も人間である以上、金銭欲もあれば、性欲もある。過ちも失敗もあるだろう。そのことは否定はしない。だが、公務員には、昼夜、公私の別なく自分の与えられた使命を自覚していて欲しいと国民は願っているはずである。

 仮にこの学校管理職が休日の私的な出来事としてテレクラ経営に関わっていたらどうか。世の中が許すはずはないだろう。休日や勤務時間外に飲酒運転をしたのが公務員なら、それは一般国民のそれよりも厳しく指弾される。これらはすべて同じ論理で貫かれている。繰り返しになるが、公務員はそれぞれの立場ごとに崇高な使命を公私分け隔てなく負っているからであって身を律していかなければならないことが期待されているからだと理解している。

 公務員の政治活動がなぜ厳しく制限されているか。それは公務員の政治活動によって行政の中立性を脅かす恐れがあるからであり、国民に行政への疑念を生じさせるからだろう。

 今回の高裁判決は、公務員の政治活動を制限した国家公務員法そのものについてはこれを合憲と判断したが、(1)被告は管理職ではない(2)休日の私的な行為で、公務員であることを明らかにしていない−などを理由に、機関紙を郵便受けに配った行為まで罰するのは表現の自由を保障した憲法に違反すると判断した。

 判決はこう述べている。

「本件配布行為は、その態様などや国民の法意識に照らせば、本法および本規制の規制目的である国の行政の中立的運営およびそれに対する国民の信頼の確保という保護法益を抽象的にも侵害するものとは常識的に考えられず…」

 まずこれが私には甘い認識だと思えてならない。たとえ、結果として素性を悟られずに、赤旗をマンションに配布し終えたとしても、それは誰が見ているか、わからないではないか。見つからなかったから許される話でないのは当然だが、見つかった結果、直ちに行政の中立的運営を侵害する結果を招かなかったから、許される話でもない。「何かこのごろ、赤旗が配られているでしょ、あれ公務員の人が配っているらしいよ」といった小さな風評が立つこと自体、行政の中立性や信頼を損なう恐れの十分にある行為と考える。

 ■赤旗配布は「表現」か?

 赤旗の配布を表現の自由と考える判断についても述べたい。まず初めに表現の自由が大事な考えだと断っておく。

 そのうえで、ではこの公務員が赤旗をお忍び同然でこっそりポスティングする行為が果たして「表現活動」なのか。百歩譲ってこれが公務員が政治的意見を表明するという「表現活動」だとしても、本人は身分を隠してやっていると判決は一方で認めている。ならば、それが果たしてどれほどの「表現活動」なのか私は正直理解できない。選挙権や被選挙権を取り上げてしまうような理不尽をこの公務員に背負わせたならそれはひどい話だが、この手の行為に「表現の自由」を免罪符に持ち出すのはいささか、「?」である。これでは何でも許されてしまうのではなかろうか。

 ■冷戦は終わったのか

 政治的行為を制限している是非を、冷戦の崩壊などで軽々に判断すべき問題でもない。

 判決はこう述べている。

 「そして国民の法意識は、時代の進展や政治的、社会的状況の変動によって変容してくるものである。猿払事件判決当時は国際的には冷戦構造下にあり、世界的な思想対立を背景として、わが国の基本的な政治体制や経済体制のあり方についても社会的意見の不一致がみられ、様々な事象にイデオロギー対立的な視点を持ち込み、一部には暴力的ないし非合法的な手段を用いて自己の見解の実現を図る勢力が存在するなど、社会情勢が不安定な状況にあった」

 「国民はいまだ戦前からの意識をひきずり、公務員すなわち『官』をことさらに『お上』視して『官』を『民』よりも上にとらえ、…しかし、猿払事件判決以降、今日までわが国において、民主主義はより成熟して、着実に根付き…国際的にも冷戦は終息し、左右のイデオロギー対立という状況も相当程度、落ち着いたものとなった。加えて、政治的、経済的、社会的なあらゆる場面においてグローバル化がすすみ、何事も世界標準といった視点から見る必要がある時代となってきていることも国民は強く認識している」

 本当にそうだろうか。

 社会保険庁に限らず、官庁には、ありとあらゆる個人情報が転がっているはずである。職員が特定の政党に所属していたとして、そうした情報に日常的に接することができる立場だとして、たとえば秘密裏に党派的な利害や党の指示で情報が持ち出されたらどうなるだろう。それが明るみに出たら、国民の行政への信用を揺るがしかねない一大事だろう。

 公務員は政党への勧誘などを制限されているが自分自身の加入まで禁じられてはいない。思想信条の自由があるからである。加入まで禁じることができないならば、職務上の義務としてそうしたことを公にしたり、公になりうる行為は厳に慎むべきである。みだりに知られると、行政の中立性に疑念を抱かれてしまうからだ。

 裁判官が仮に共産党員だとわかってしまったら、その裁判官の裁判を受けたくない、公正な裁判ではないと言いたい被告人はいるはずだし、それは自民党員でも創価学会信者でもオウム真理教信者でも同様に起こりうる話だ。行政窓口の役人が実は民主党員だったら「自分の個人情報は大丈夫か」「手続きを公正に進めてくれるか」などと疑念を抱く住民だっているだろう。やはり、政治的行為を制限されることに合理性はある。最近の事案を見れば一目瞭然のように、一方で刑事罰を負わさなければ、こうした行政の中立性が保てないほど、ひどい実態だと考えさせられる場面もある。

 この判決はそうしたことを「時代」というきわめて軽い言葉で片づけていないだろうか。特に冷戦の終息などに伴って国民の法意識や公務に対する意識が変わり、公務員の政治的行為にも許容的になってきたとしている点は、合点がいかない点である。

 私には冷戦が終わっても、北朝鮮や中国など周辺国の悪意はむしろ強まっていると思えてならないし、最近のトヨタのリコール問題や、次々と世界標準として日本に要求が突きつけられる光景を眺めていると、米国の悪意を感じることすらある。冷戦が終わったから日本国内の冷戦構造が終わったか。そんなことはない。日教組は相変わらずだし、至る所に55年体制は残ったままだ。米国の持ち込んだ世界標準なるものが日本人や日本国を幸せにしたかどうかは国益という観点でこれからしっかりと考えていかなければならない課題だと思っている。

 ■虚構にお墨付きを与える裁判所

 55年体制の構図が今も最もだらしなく残る国家機関、そのひとつが裁判所だと思っている。弁護士VS当局(検事)という構図の話だけではない。慰安婦、南京事件、教科書、戦後補償、靖国参拝、憲法、原子力発電、自衛隊、在日韓国人の地方参政権、国旗国歌…。ありとあらゆる左翼的な党派利害や運動体の要求が次々持ち込まれてイデオロギーを背景にした裁判闘争が日夜繰り広げられる舞台でもある。裁判官も彼らにしゃべるだけしゃべらせており、彼らにとっては議席をとれなくても主張が許される絶好の場である。負けても負けても何度も同一構造、類似構造の訴訟が繰り返される。そして、やがて要求を通しお墨付きを与える裁判官が現れるのである。

 南京大虐殺も教科書検定批判もそうだった。国旗国歌訴訟などは現在進行形で、最近では永住外国人に対する参政権もそうだった。戦後の多くの虚構にお墨付きを与えたのは裁判所だったことを裁判官自身、どれだけ自覚しているのだろう。

(安藤慶太・社会部専門職)

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